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体内時計を整え、朝スッキリ!
不調改善の3つの習慣

朝起きても疲れが取れない、日中ぼんやりしてしまう…もしかしたら、その不調は、「体内時計」のズレが原因かもしれません。この記事では、私たちの体に備わる「体内時計」の基本的な仕組みから、不調のサイン、そして今日からすぐに実践できる「体内時計の整え方」について、消化器外科医・石黒成治先生に教えていただきました。

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私たちの健康を支える
「体内時計」の仕組みとは

朝の光で目覚め、日中に活動し、夜暗くなったら休むーー。人は太古の昔から、そのような暮らしをしてきました。私たちの体には、生まれながらに「体内時計」が備わっており、約24時間の周期で働きながら、睡眠や体温、ホルモン分泌、代謝など、さまざまな機能をコントロールしています。つまり、体もまた、自然のリズムに沿って働くようにできているのです。

この体内時計は、体の1カ所にあるものではなく、脳をはじめ、心臓や肝臓、腸、筋肉など、全身の細胞の一つひとつに存在しています。これらは大きく分けて、脳にある「マスター時計」と、各臓器に存在する「末梢時計」の2種類に分かれます。

全身の指揮者「マスター時計」(脳)

脳の視床下部にある中枢で、体内時計全体の司令塔のような役割を担っています。このマスター時計が機能するために最も重要なのが「光」です。
朝、太陽が昇り、その光が目に入ると、網膜を通じて脳に伝わり、「今は朝である」という信号としてマスター時計に届きます。すると、その情報が全身に伝わり、体は活動モードへと切り替わるのです。体温や血圧が上がり、覚醒を促す働きが高まることで自然と目が覚めていくのです。
反対に、夜になって光が減ると、脳は「夜が来た」と認識し、眠りを促すホルモン(メラトニン)が分泌され、体は休息モードへと移行します。
このように、光はマスター時計の重要な「合図」として働き、私たちの活動や睡眠の時間のリズムを支えているのです。

各部署の担当者「末梢時計」(各臓器)

マスター時計からの指令を受けつつ、肝臓や腸、筋肉など全身の臓器や細胞にそれぞれ備わっているのが「末梢時計」です。これらは独立して働きながら、体の機能を細かくコントロールしています。この末梢時計を動かす主なきっかけになるのが、「食事」や「運動」といった日々の生活習慣です。
例えば、朝食をとると、栄養が体内に入ることで肝臓や腸では消化・吸収の働きが活発になります。これにより、末梢時計は、「今は活動の時間だ」と認識し、代謝や血糖コントロールなどの働きを日中のリズムに合わせて調整します。
運動をしたときも同様に、体に「今は動く時間だ」というサインが入ります。筋肉を動かすことでエネルギーが使われ始め、それに合わせて代謝に関わる臓器の末梢時計が働き、効率的なエネルギー消費を促します。
本来、この「マスター時計」と「末梢時計」が連動し、正しく働くことで、人の体は自然で負担のかからない健やかなリズムを保っているのです。

現代人が陥りやすい「体内時差ボケ」の原因

しかし、現代人の生活は、便利で快適な一方で、この大切な体内時計を乱しやすい環境にあふれています。マスター時計を調整する「光」と、末梢時計を調整する「食事・運動」のタイミングがずれることで、私たちの体は海外旅行をしなくても「体内時差ボケ」のような状態に陥ってしまうのです。

夜間の「光」による乱れ

夜遅くまでスマートフォンやパソコンを見ていると、そこから発せられる強い光(ブルーライト)の刺激によって脳が「まだ昼だ」と勘違いしてしまいます。これにより、眠りを促すメラトニンの分泌が抑制され、体が休息モードに入りにくくなり、寝つきが悪くなったり、朝もすっきり目覚めにくくなったりします。

「食事」や「運動」のリズムの乱れ

食事の時間がバラバラだったり、夜遅い時間に食事をとったりすると、内臓の末梢時計が混乱します。夜は休息モードに入るべき肝臓や腸が「活動時間だ」と誤認してしまうため、体のリズムが乱れやすくなります。また、エアコンの効いた室内で一日を過ごしていると、暑さ、寒さといった自然な温度変化を感じにくく、朝から夜まで同じような明るさの室内で過ごすことで、時間帯の変化を感じ取りにくくなったりします。

さらに、運動不足で日中の活動量が少ないと、体はオン・オフのメリハリを感じにくく、夜になっても自然な眠気が訪れにくくなることもあります。

こうして、光・温度・食事・活動といった日々の刺激が少しずつずれていくと、脳のマスター時計と、各臓器の末梢時計の間にズレが生じ、「体内時差ボケ」の状態を招いてしまうのです。

「体内時差ボケ」が引き起こす
心身の不調とリスク

体内時計の乱れ、いわゆる「体内時差ボケ」の状態が続くと、私たちの体にさまざまな影響が及びます。

体には活動するときに働く「交感神経」と、休息するときに働く「副交感神経」からなる自律神経が備わっています。体内時計が乱れると、この自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、夜になっても体がリラックスモードへ入れず、興奮状態が続いてしまうことがあります。その結果、内臓の働きや血流、消化・吸収といった基本的な機能まで影響が広がっていきます。

こんな不調を感じたら要注意!初期のサイン

まずは、日常生活の中で以下のような不調として現れます。
・朝、スッキリと起きられない
・十分寝たはずなのに、疲れが取れないと感じる
・日中、集中力が続かず、ぼんやりしてしまう
・夜になると目が冴えてしまい、寝つきが悪くなる
・便秘がつづくなど、お腹の調子が不安定
・肌が荒れがちになる

長期化するとリスクが高まる病気

こうした日常的な不調が続くと、「血糖コントロールの乱れ」や「脂質代謝の異常」「免疫機能の低下」などへとつながり、糖尿病や脂質異常症、肥満、高血圧といった生活習慣病のリスクを高める可能性もあります。また、体内で慢性的な炎症が起こりやすくなることで、細胞の働きそのものにも悪影響が及び、がんや認知症といった重大な疾患のリスクにつながる可能性も考えられるため、注意が必要です。

今日からできる体内時計を整える3つの生活習慣

体内時計を整えるために重要なのは、特別な対策を行うことではなく、シンプルに日々の生活リズムを“自然のリズム”に近づけることです。そのために、特に意識したいのが以下の3つです。

1.朝に「光」を浴びる習慣

最も重要なのは「光」の活用です。朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。たったこれだけで、脳のマスター時計がリセットされ、一日のリズムが整い始めます。メラトニンの分泌が止まり、約12~13時間後に再び眠気が訪れるサイクルが始まるのです。
反対に夜は、強い光から体を守ることが大切です。就寝前の1時間はスマートフォンやパソコンの画面から離れることを意識しましょう。もし見る必要がある場合は、ブルーライトカット機能や暖色系の画面設定を活用すると良いでしょう。

2.「食事」の時間を安定させる習慣

食事は、回数よりも「時間の安定」がポイントです。1日3食でも2食でも問題ありませんが、毎日なるべく同じ時間に食事をとることで、末梢時計が整いやすくなります。また、夜遅い食事は体に負担をかけ、抹消時計を乱す原因となるため、控えめにすることが理想です。就寝の3時間前までには済ませておくことを目安にしましょう。
あわせて意識したいのが、血糖値を急激に上げない食べ方です。血糖値の急上昇は、体に強い刺激となり、代謝やホルモンバランス、さらには体内リズムにも影響を与えると考えられています。
・食事の最初に食物繊維が豊富な野菜をとる
・よく噛んでゆっくり食べる
・間食や甘いものをとり過ぎない

といった食習慣がおすすめです。

3.「動く」「休む」のメリハリをつける習慣

日中はしっかり体を動かし、夜はリラックスするという、1日の活動にメリハリをつけることが大切です。デスクワーク中心の方でも、長時間の座りっぱなしを避け、こまめに体を動かす習慣を取り入れましょう。例えば、1時間に1回は席を立って短いストレッチをするだけでも、体は「活動の時間」と認識しやすくなります。
夕方以降は、心身を徐々にリラックスモードへ切り替え、休息に向けた準備を整えていくのが良いでしょう。温かいお風呂に入る、軽い読書を楽しむ、アロマを焚くなど、心地よいと感じる方法で心身を落ち着かせてみてください。

まとめ
体内時計は、私たちの心身の健康を支える大切なリズムです。現代の暮らしは体内時計を乱しやすい環境にありますが、日々の習慣によって整えることができます。特別なことをする必要はなく、「自然に近いリズム」で生活を意識することが、何よりの近道です。
まずは、「朝に光を浴びる」という、今日からできる小さな一歩から始めてみましょう。この積み重ねが体内時計を少しずつ本来のリズムに戻し、朝の目覚めもがスッキリしたり、日中の集中力が高まったりと、過ごしやすさや体調の安定にもつながっていくでしょう。

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