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長く元気に歩くために
健康寿命を延ばす「膝痛予防」

膝の違和感に直面したとき、「年齢を重ねたから仕方がない」とそのままにしていませんか? 膝は私たちの体重を支え、歩行や立位といった基本動作を司る要です。一度膝を痛めてしまうと外出を控えるようになり、運動不足からさらなる筋力低下を招き、健康寿命を縮める要因にもなります。今はまだ痛みがなくても、早めにケアを始めることで、将来の痛みを和らげることができるかもしれません。本記事では、膝痛の仕組みや原因、予防策などを解説。膝への負担を減らすコツと、今日からできる筋力づくり(簡単エクササイズ)を具体的に紹介します。

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膝痛の主な原因は
「軟骨のすり減り」と「膝周りの筋力低下」

膝は、骨・軟骨・靱帯・筋肉などが協調して機能する複雑な関節です。膝の軟骨は「歩く」「立つ」といった日々の動作による衝撃をクッションとなり吸収していますが、加齢とともに軟骨から水分が失われるとクッション性が低くなり、衝撃を吸収しにくくなります。また、膝周りの筋力が低下すると膝関節を十分に支えられなくなります。その結果、膝に直接大きな負荷がかかって軟骨がすり減り、骨同士が擦れ合ったり炎症が起きたりして痛みとして現れるのです。

■膝の痛みが顕在化するのは50歳前後

膝の痛みを自覚する人は、50歳前後から増えてきます。40代頃までは、膝の軟骨には水分が豊富に含まれており、クッション性が高い状態です。しかし、50代を迎える頃には水分が徐々に失われ、同時に筋肉量も減少していきます。
この年代の膝痛で多く見られるのが「変形性膝関節症」です。軟骨のすり減りによって炎症や骨の変形が起こる病気で、「進行性」のため放置すると悪化して痛みが強くなります。「歩くと痛いから」と外出を控えるようになると、下半身の筋力が一段と低下して「サルコペニア」を招きます。
サルコペニアとは、加齢や活動量の低下によって筋肉量と筋力が減少する疾患です。進行すると歩行や立ち上がりが困難となり、要介護リスクを高めるなど「健康寿命」にも関わります。

■30~40代も他人事ではない?「予備能力」に左右される痛みのリスク

30代や40代でも、膝の「予備能力」が低下していると痛みが出るリスクはあります。予備能力とは、通常の活動レベルを超える負荷がかかったときに、膝が一時的に対応できる「膝の耐久力」のことです。例えば、学生時代にスポーツで膝を過度に酷使してすでに軟骨のすり減りが進行している人や、日頃の運動不足で膝を支える筋力が衰えている人は、実年齢よりも予備能力の低下リスクが高いといえます。そのため「自分はまだ若いから大丈夫」と過信するのは禁物です。

膝からのサインを見逃さない
膝痛の初期症状と受診の目安

以下のようなサインがあれば、膝痛の初期症状が出ているかもしれません。

・正座がしにくい
・膝を曲げにくくなった
・椅子から立ち上がるときや歩き始めに痛みを感じる
・膝に腫れぼったさを感じる
・動かすとゴリゴリと音がする

該当する項目がある場合は、早めに膝への負担を減らす対策を始めておくと安心です。ただし、膝の痛みが1週間以上続く場合は、軟骨のすり減りや炎症が進行していると考えられます。軽い痛みがあるものの、休めば改善するからといって受診を先延ばしにせず、一度整形外科を受診することをおすすめします。

膝に負担をかけないのがポイント
膝痛を予防する日常生活の過ごし方

膝痛を予防するには、膝への負担軽減が不可欠です。膝に負担をかけない日常生活の過ごし方を紹介します。

歩くときはかかとから着地する

歩行時は、かかとから接地し、足裏全体へなめらかに重心を移動させると良いでしょう。歩き方を意識することで、膝だけで衝撃を受け止めにくくなり、負担軽減につながります。

クッション性の高い靴を履く

クッション性の高い靴を履くことで、膝に伝わる衝撃を軽減できます。ウォーキングシューズや、底が厚めのスニーカーを選ぶと安心です。

立ち上がる際は、太ももや安定したものに手を添えて体を支える

立ち上がる際に太ももやテーブル・手すりなど安定したものに手を添えることで、膝にかかる負担を軽減できます。

ベッドを使用する

畳に布団を敷いて寝るよりも、ベッドを使用すると膝に負担をかけずに身体を起こせます。

体重を適正範囲に維持する

歩行時、膝にかかる負荷は体重の3〜4倍で、体重50kgなら約150〜200kgに相当します。体重を1kg減らすだけでも、膝への負担は大きく軽減されます。膝が痛み始めて「以前より体重が増えた」と感じている場合は、無理のない範囲で体重管理を始めましょう。

エクササイズで膝周りの筋肉を鍛えて
膝の安定性を高めよう

膝の安定性を高めるには、膝周りの筋肉を鍛える必要があります。特に太ももの前の筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」、その内側にある「内側広筋(ないそくこうきん)」を強化するのが重要です。次に紹介するエクササイズで、膝周りの筋肉を鍛えましょう。ただし、無理のない範囲で行うようにしてください。

■ドクターズスクワット(1セット30秒)

「ドクターズスクワット」とは、30秒間、自身のペースでポーズ①「しゃがむ」とポーズ②「立つ」を繰り返すエクササイズです。ケガ予防の観点からも、30秒を一区切りとしましょう。長時間行うと、姿勢が崩れて効果が出にくくなります。

ポーズ①しゃがむ

1.足を肩幅に開き、つま先を約30度外側に向けてしゃがみます。つま先と膝は同じ方向に向けましょう
2.目線を前に向けて、背筋を真っすぐ伸ばします。
3.肘の力を抜いて両腕を前に伸ばし、両手のひらを下にして重ねます。

ポーズ②立つ

1.両腕を伸ばしたまま口から息を吐き、真っすぐ立ち上がります
2.鼻から息を吸いながら、しゃがみます。

■テーブルスクワット(1セット30秒)

股関節や足首が硬い、腰痛があるなどの理由で、しゃがむ動作が負担となる方に向けたエクササイズです。30秒でポーズ①「椅子に座る」とポーズ②「腰を上げる」を繰り返します。「ドクターズスクワット」同様、30秒を一区切りとしましょう。

ポーズ①椅子に座る

1.顔を前に向けて椅子に座ります。猫背にならないようにするのがポイントです。
2.足を肩幅に開き、つま先を約30度外側に向けます。つま先と膝は同じ方向に向けましょう
3.両手のひらを下にして、両肘をテーブルに付けます

ポーズ②腰を上げる

1.口から息を吐きながら腕で上半身を支えて腰を上げます
2.鼻から息を吸いながら、ゆっくり椅子に座ります。

まとめ
膝痛対策で避けたいのは、膝が痛いからといって動かないことです。過度な安静は筋力を低下させます。痛みのない範囲で体を動かし、筋力低下を防ぎましょう。健康維持のためには、1日7,000〜8,000歩を歩く習慣が推奨されています。エスカレーターではなく階段を利用するなど、日々の小さな積み重ねが10年後、20年後も自分の足で長く歩ける未来をつくります。生涯を通して自分の足で歩けるように、膝の違和感を見逃さずに、労わりながら適度に鍛えましょう。

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