老後の病気と介護の不安は
時間と費用の把握で軽減
人生100年といわれる今、老後の生活、中でも「お金」について心配されている方が多いようです。この不安を少しでも解消するために「老後のお金を守る」をテーマに、専門家のアドバイスをシリーズでお送りしていきます。今回は「病気」と「介護」のお金に関して。これにはまず「時間」と「費用」の目安を把握することが大切だそうです。そのポイントをご紹介していきます。
20年、30年先の老後を
正確に予測するのは困難
「生活保障に関する調査*」によると、自分の老後生活に「不安感あり」とした人の割合は8割を超え、その中で最も高かったのが「公的年金だけでは不十分」で79.8%、次いで「日常生活に支障が出る」が58.6%でした。
しかし、いつ入院や介護が必要になるかは、人それぞれです。それでも、「時間」と「費用」の目安を知っておけば、不安を軽減することができます。
*生命保険文化センター(2025年度)
■「時間」の目安を知る
時間の目安とは、「実際に医療費や介護費がかかり始めるのはいつ頃か」を知ることです。
最近は平均寿命と合わせて健康寿命に関心が集まっています。寿命が伸びるのはうれしいことですが、健康でなければ、希望する暮らしを実現できません。厚生労働省の統計によると、男性の平均寿命が81.09歳であるのに対し、健康寿命は72.57歳です。

つまり、73歳以降は、ある程度の医療費が必要になる可能性があります。同様に、女性の場合は76歳以降となります。介護についても、同じく統計で見ると、要介護の認定を受ける人は80歳以降に増えています。
このように、医療費や介護費は年金生活に入った途端にかかるものではないのです。

公的制度を上手に使えば
医療費や介護費は抑えられる
■「費用」の目安を知る
費用の目安とは、医療費や介護費の上限を知っておくことです。
病気や要介護になったときに、どのくらいの費用が必要か、平均的な金額は統計データなどで知ることはできます。ただし、それはあくまでも平均値であり、家計の状況や環境も違うため、そのまま自分に当てはめても意味がありません。そこで最大でどれくらいの費用がかかるかを把握できれば、準備がしやすくなります。
病気や要介護になったときには、健康保険や公的介護保険が利用できます。自己負担はありますが、それぞれ上限が決まっています。例えば70歳で所得区分が約370万円までの方であれば、医療費は月約6万円、介護費は月約5万円です。このように、「時間」と「費用」の目安と、利用できる公的制度を知っておくことで、漠然とした不安は軽減されるのではないでしょうか。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「老後のお金を守る本」の抜粋です。
内容は、執筆時点2026年8月1日のものです。







