災害はどこでも起こり得る
命を守る準備と行動が大切
―第1回(調べる)―

私たちが生活している日本では、さまざまな災害が発生します。地震、津波、豪雨による洪水や土砂災害など。皆さんの災害への備えは、果たして万全でしょうか?自分や家族の命を守るためには事前の準備と行動が大切です。そして、安全・安心は準備に比例します。全4回にわたる本連載では、防災システム研究所所長の山村武彦先生に、今すぐ防災対策を行うことの重要性を伺いました。第1回は、避難場所やハザードマップなど、「まず調べておきたい情報」についてお伝えします。

監修:

山村 武彦

〉〉〉プロフィール

災害は時と所を選ばず

地球温暖化の影響もあってか、台風が激甚化し、雨の降り方も大きく変わってきました。1時間に50mm以上の大雨の降水回数は、50年前と比べると約2倍、それに伴う大規模な水害や土砂災害が毎年のように発生しています。
また、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震のように、100人以上の犠牲者を出す大地震は5~6年に一度の割合で発生。それも元日や深夜など、災害は時と所を選ばず突発的に発生しています。日本中、絶対安全な場所などなく、どこでも大災害は起こり得るのです。
だからこそ、災害が起きてからでは遅いのです。自分や家族の命を守るためには事前の準備と行動が大切です。
安全・安心は準備に比例します。この記事を参考にご家族で話し合い、防災対策の点検と強化に役立てていただければ幸いです。

いざという時の避難場所を調べよう

危険が迫った時や、災害で自宅に住めなくなった場合に避難する場所があります。事前に調べて、実際に家族で歩いてみましょう。自治体が指定する避難場所には、「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の2種類あります。どちらも災害時に避難するために利用する場所ですが目的と滞在時間に違いがあります。

■指定緊急避難場所
 災害が発生したとき迅速に逃げ込む場所

災害の危険から命を守るため、緊急に避難する場所。洪水や崖崩れ、地震、津波、大火など、災害種別ごとに避難する場所が指定されています。

■指定避難所
 災害発生後、被災者の一時居住場所となる施設

避難した住民、もしくは災害により自宅へ戻れなくなった住民などが、一時的に滞在する施設。主に学校や体育館、公民館などの公共施設が指定されています。

【指定緊急避難場所・指定避難所の調べ方】
■自治体が配布するマップで確認

自分の住む場所の指定避難所はどこか、避難経路がどうなっているのかは各市区町村が発行する「防災マップ」などで確認できます。配布形式は自治体ごとで違うので、サイトで確認するか問い合わせてみましょう。

■WEBで調べる

各自治体のサイトで調べられます。また、指定緊急避難場所は国土地理院のWEBや、ヤフーの「避難場所マップ」で確認できます。

近くの避難誘導標識を調べよう

地域や場所によっては災害別に避難場所を指定している所もあります。迅速に避難できるよう普段から近くの避難誘導標識を確認しておきましょう。

身のまわりの危険度を調べよう

その地域の危険度を調べるには「ハザードマップ」を活用します。ハザードマップとは「被害予測地図」のこと。豪雨による洪水や土砂災害、地震や噴火などの自然災害が起きた場合、その地域にどんな被害が起こりうるかということを地図に表したものです。ハザードマップを見れば、自宅や地域の危険度や、災害発生時にはどこへ避難したらいいのか、どういう避難経路をたどればいいのかということがわかります。

■自治体で配布するマップで確認

各自治体で地図化して配布していることが多いので、自治体のサイトで確認するか問い合わせてみましょう。

■WEBで確認

国土交通省が、全国のハザードマップが検索できる「ハザードマップポータルサイト」を公開しています。地域のハザードと火山噴火などを検索できる「わがまちハザードマップ」と、洪水、土砂災害、津波などの複数災害を合わせた「重ねるハザードマップ」がありますので、事前に確認しておきましょう。

情報収集方法を知ろう

災害が起きた時、もっとも重要になるのが“情報”です。いち早く災害の危険を知り、安全な場所へ避難するためだけでなく、避難所の情報、水や物資の配給情報、ライフラインの復旧情報などを得ることができます。

■radiko(ラジコ)・サイマルラジオ

「radiko(ラジコ)」や「サイマルラジオ」はインターネット上でラジオ放送が聴けます。事前にPCでWEBサイトをブックマークしておくか、スマートフォンにアプリをインストールしておくと安心です。サイマルラジオは「Radimo(レディモ)」でも聴けます。また、PC対応のアプリもあるので確認しておきましょう。

■自治体公式SNS

自治体の防災メール、X(旧ツイッター)、フェイスブック、LINEなどのSNSに事前に登録しておくと、防災情報収集に役立ちます。

■ワンセグ放送

ワンセグ対応受信機を備えていると停電時も役立ちます。ただし、電波状態が悪いと受信できない場合もあるのでラジオと組み合わせて準備しましょう。

■アプリ

NHKの「ニュース・防災アプリ」や、ヤフージャパンの「防災速報アプリ」は災害情報が自動通知されますので、事前にインストールしておきましょう。

■WEB

国土交通省の「防災情報提供センター」では、リアルタイム雨量や河川や気象情報などのサイトへリンクできますので、事前にブックマークしておきましょう。

スマートフォンの消耗を防ぐラジオ

停電時は「省電力モード」にするなど、スマートフォンの電池消耗を少しでも防ぐことが大切です。
そのためにもラジオで取得できる情報はラジオを活用しましょう(ラジオの電池残量も定期的に確認)。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「命を守る防災ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2025年7月30日のものです。

山村 武彦(やまむら たけひこ)
防災システム研究所所長。新潟地震(1964年)を契機に、防災・危機管理のシンクタンク「防災システム研究所」を設立。以来50年以上にわたり、国内外で発生する災害の現地調査を行っている。多くの企業や自治体の社外顧問やアドバイザーを歴任。著書多数。

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