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物価高の家計防衛! 5つのステップ

ここ数年、スーパーに行ったら「また値上がり……」とため息をつくこともしばしば。90年代から続いた、モノの値段が上がらない「デフレ」時代を過ごした世代にとっては「値上がりは初めての経験」と戸惑っている人も少なくないでしょう。電気・ガス代支援など政策にも期待したいところですが、まずはわが家の家計管理が大切。この記事では、今日から取り入れやすい「家計防衛」の5つのステップを紹介します。物価高から家計を守るためにも、できるところから始めてみましょう。

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ステップ1:家計の現状を把握しよう

家計防衛の第一歩は、収入と支出を正確に把握し、今の家計状態を“見える化”することです。家計のムダや改善ポイントが明確になり、物価高対策の土台が整います。

物価の変動があっても、将来の安心をつくるためには上手な家計管理がカギとなります。そのため、入ってくるお金(収入)に応じて使うお金(支出)を予算化し、黒字になるようコントロールすることが大切。黒字がなければ将来の計画に使うお金が貯められないからです。

まずは1カ月の収入と支出を確認していきましょう。

収入は、税金と社会保険料を除いた「手取り額」を把握します。会社などに勤めている人の場合、給与明細をもとに収入は把握しやすいはず。お店など事業を営んでいる人の場合は、1カ月の平均的な収入を計算してみましょう。

次に、支出です。家計簿やアプリで集計している人はそのデータを活用し、まだつけていない人はこれからでも始め、1カ月の支出を集計してみましょう。少し面倒ですが、何にお金を使っているか知っておかないと、ムダを見つけることができません。

ステップ2:収入金額をもとに予算を立てよう

家計の現状を把握したら、次は予算づくりです。「使えるお金」を先に決めておくことで、無理なく貯蓄を確保しつつ、将来の支出の見通しも立てやすくなります。

収入金額が分かったら、月々の予算をザックリ立ててみましょう。

最初に設定したいのは貯蓄額です。収入金額から貯めたい貯蓄額を差し引きます。この金額が確保できれば、確実に貯められる仕組みになるわけです。

次に、毎月ほぼ決まった金額が出ていく「固定費」の予算を割り振ります。住居費や通信費、保険料、教育費などが該当します。固定費も見直したいところですが、とりあえず現状を参考に予算立てしましょう。項目によっては、「ここまで下げたい」といった希望の予算額にしてもかまいません。

そして残りの金額で、「変動費」を割り振ります。食費や日用品、交際費、医療・美容費など月によって動きがある項目です。変動はあるものの、目標額として月額予算を立てておきましょう。
それぞれの項目例は下表のとおりですが、あまり細かくしすぎても予算化が煩雑になるので、項目数はわが家のライフスタイルに合わせてしぼるようにします。

【固定費と変動費の項目例】

固定費
住居費住宅ローン・家賃・管理費・火災保険
教育費学校教育費・学習塾・習い事
公共料金電気・ガス・水道・NHK
通信費電話・携帯電話・インターネット関連
クルマ関連費自動車ローン・駐車場・自動車保険
生命保険夫・妻・子ども
サブスクリプション動画配信サービス・アプリ・その他
変動費
食費食料品購入・外食など
日用雑貨費洗剤など各種生活用品
教養・娯楽・交際費趣味・レジャー・イベントなど
医療・美容費診察代・薬代・理髪・美容院など
被服費衣類・下着類・靴・バッグなど
交通費電車・バス・タクシー・ガソリン代など
予備費予算のカバー・
冠婚葬祭など不意の入り用

ステップ3:支出の現状からムダを見つけよう

支出と予算が分かれば改善すべきポイントが見えてきます。とくに固定費は一度見直すと効果が続きやすく、変動費は「必要かどうか」の基準づくりがムダ削減に役立ちます。

ステップ2で立てた予算と、1で確認した支出の現状とを比べてみましょう。

支出が予算を超えている項目があれば、「見直し」の対象となります。見直しは「ムダな支出」を発見するのが鉄則。「固定費」の中にもムダはあるはずです。通信プランの見直し、保険料の適正化、公共料金の契約内容などは、変更するだけで年間の支出が大きく変わる可能性があります。
下表の見直し例を参考に、我が家の固定費に改善の余地はないか検討してみましょう。もし、支出を減らすことができれば、予算にゆとりができます。その分は貯蓄に充ててもいいし、「変動費」の予算に回すこともできます。

【固定費の見直し例】

項目見直し例
住居費住宅ローンの見直し、引っ越し
(現状、支出アップも考えられるので慎重に)
教育費子どもとも相談のうえ塾や習い事の対象をしぼる
公共料金契約先や料金プランの検討、ムダな使用を避けるエコ生活、省エネ家電への買い替え
通信費固定電話の要不要を検討、格安スマホへの乗り換え、通信プランの見直し
クルマ関連費カーシェアリング・レンタカーの利用、自動車保険の見直し
生命保険大きすぎる保障・重複する保障の解約、保険料が下げられる保障プランへの乗り換え
サブスクリプション利用頻度の少ないものを解約、同内容の安いサービスへの乗り換え

続いて変動費です。ムダな支出かそうでないかは、「ニーズ(必要なもの・こと)」か「ウォンツ(欲しいもの・こと)」か、で判断すると分かりやすいでしょう。
下表はその一例ですが、個人・家庭ごとの価値観にもよります。もちろん、よその家庭がウォンツと判断しても、「ウチではニーズ」というものがあってもかまいません。ただ、何もかもニーズにすると見直しができませんから、ウォンツに優先順位をつけ、どうしても譲れないものだけ残すようにしましょう。

【ニーズとウォンツの分け方例】

項目ニーズ
(必要なもの・こと)
ウォンツ
(欲しいもの・こと)
食費スーパーで買う日々の食料品、社員食堂でのランチ、月1回の家族との外食など高級スーパーで買うお惣菜、繁華街のレストランでのランチ、ホテルのレストランでのディナーなど
日用雑貨費100円ショップで買う台所消耗品、ドラッグストアで買うトイレットペーパー、ネットショップのセールで買う掃除用品などセレクトショップで買うインテリア雑貨、ブランド物の石けん、高級食器セットなど
サブスクリプションよく利用する動画・音楽配信サービス、仕事や学習で使う有料のアプリ、仕事がら必要な洋服のサブスクなど複数加入している動画・音楽配信サービス、ウォーターサーバー、ホテルのサブスク、アートのサブスク、花のサブスクなど

これらの作業により、立てた予算が守れる支出の見直しができたのではないでしょうか。あとは、その予算を守るように家計運営していくことです。
実際に家計運営するにあたっては、予算を超える支出項目が出る月もあるでしょう。その場合は、他の項目の支出を減らすなどして調整することで、全体として予算を守ることができます。

ステップ4:収入アップを検討してみよう

節約や見直しでも貯蓄が確保できないようであれば、収入アップという選択肢が家計を支える力になります。働き方の見直し、副業、働く時間の調整など、できる範囲で収入の底上げを探るのも家計防衛の対策です。

現在、パートタイマーとして働いている人は、働く時間を増やすことも検討してみてください。「年収の壁」を超えないように働く時間を調整している人が少なくありませんが、税金に関する年収の壁は引き上げられており、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)の壁はなくされる方向です(週20時間以上働く人は社会保険に加入することになる)。状況が許されるなら、働けるだけ働くという方向に舵を切るのも手です。長い目で見れば、自分の将来の年金額を増やすことにもつながります。
フルタイムの人は、副業を認めている会社であれば、得意分野を活かした仕事や、短時間で働けるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)を検討するのも一つの方法です。無理なく続けられる範囲で収入源を増やすことが家計の安定につながります。

ステップ5:資産形成を検討してみよう

物価高の環境では、貯蓄だけではお金の価値が下がる可能性があります。積立投資を上手に活用し、一部の資産を“増やす仕組み”に乗せておくことが、将来の備えになります。

収入アップと併せて検討したいのが、資産形成の工夫です。我が家のお金にも働いてもらうのです。預貯金などの安全確実な資産づくりは、必要な資金を確保するのにとても大切ですが、物価上昇からお金を守るのには弱いことを知っておきたいものです。決まった利息以上には増えないため、物価上昇分をカバーできない可能性があるからです。

そのカバーを期待できるのが、「投資信託」などのリスク商品。収益は約束されておらず、価格変動のあるものですが、長期にわたって運用した場合には大きく増やせる期待が持てます。家計の資産のうち一部は、物価上昇対策としてリスク商品での運用を検討してみましょう。
お勧めは投資信託を利用しての長期の積立です。「つみたてNISA」、「iDeCo」といった、長期の資産形成を応援する制度もありますから、十分理解を深めて、活用を検討しましょう。

まとめ
物価高が続く暮らしでは、まず収入と支出を見える形にして、家計の“いま”を知ることが安心への一歩になります。使えるお金の枠を決めて予算を立て、固定費や変動費を見直していくことで、ムダは少しずつが減っていきます。さらに、働き方や資産づくりを検討すると、家計の安定感は高まっていくでしょう。
むずかしく考えず、できそうなことから一つ始めてみてください。続けるほど家計は整い、着実に将来の安心につながっていきます。

※この記事の内容は、執筆時点2026年1月28日のものです。

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